市民の力でハチを保全し、植物を保全する ―市民参加型調査のデータを使用したハチの分布と送粉の機能形質の分布推定―

市民の力でハチを保全し、植物を保全する
―市民参加型調査のデータを使用したハチの分布と送粉の機能形質の分布推定―


 国立環境研究所、東北大学、山形大学、中国竞彩网、森林総合研究所※1の研究グループは、日本の代表的な社会性※2のハチであるマルハナバチ類とニホンミツバチの種数と希少種の分布、送粉の機能形質の分布を推定しました。機能形質としては口吻(こうふん)(舌)の長さ(口吻長)の範囲※3を用いました。
 その結果、ハチの種数は北海道の西部で多い一方で、口吻長の範囲は本州の中部で広いことが推定されました。希少種の分布する地域は、その多くが口吻長の範囲が広い地域と一致していました。この結果は、ハチの保全計画において、種数だけでなく機能形質の分布も考慮することの重要性を示しています。
 本研究は、14種のハチ(マルハナバチ類とニホンミツバチ)の全国的な分布を推定した重要な研究であり、さらにハチに花粉を運んでもらう植物への影響も考慮して、送粉の機能形質の分布も推定した初めての研究です。
 なお、分布の推定には、東北大学と山形大学が行っている市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」で得られたデータを使用しており、市民の力を借りることによって全国的な保全対策の計画が立てられることを示した研究でもあります。
 本研究の成果は、2024年6月25日付でNature Portfolio社から刊行される『Scientific Reports』に掲載されました。

   

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