2022-05-02 農学部地域生態システム学科 小池伸介研究室「クマの生命表を作成」

先週に続き、農学部 地域生態システム学科 小池伸介教授の研究を紹介するワン。

学生さんが顕微鏡を使って作業しているワン。
顕微鏡で見えているのは、写真2枚目のピンクのもの。

縞々の模様が入っているこれは、なんとツキノワグマの歯。
クマの歯の歯根部の表面を覆う「セメント質」という部分は、クマの年齢とともに、厚さを増していくワン。
セメント質は、栄養状態のよい春から夏には活発に発達して、冬には発達が停滞するので、歯根部を薄くスライスして、染色すると、冬に形成されたセメント質が濃く染まって、木の年輪のような層になるんだワン。
歯を見ると、そのクマの年齢がわかるんだワン。

さらに、こちらの学生さんたちの研究で、年輪を見れば、そのクマが初めて出産し、育児に成功した年齢や、繁殖の頻度を推定できることがわかったワン。
ツキノワグマのメスが出産し、0歳の子供の育児を行った年には、育児を行っていない年よりも、その年輪の幅がせまくなるワン。
子熊への授乳で多くの栄養が必要となることや、子熊がまだ十分に動けないから母熊の食事が制限されて、母熊の栄養状態が低下して、年輪幅がせまくなっちゃうと考えられるワン。

学生さんの研究対象は、長野県?栃木県?群馬県のクマの個体群。
クマの歯に形成される年輪から、年齢、初めて繁殖した年齢、生涯に産んだ子供の数などを算出するとともに、駆除されたクマの子宮の胎盤痕から産子数を算出することで、クマの繁殖に関する情報を蓄積して、クマの生命表を作成しているワン。
個体数の変化を調べるモデルを作ることは、クマの科学的な保護管理に大きく貢献できるんだワン!

写真3枚目、学生さんの前にあるのが、スライスした歯が入ったプレパラート。
写真4枚目を見ると、歯の真ん中あたりの部分をスライスしたサンプルがきれいに並んでいるのが、よくわかるワン。

大型哺乳類に興味があって、学部の頃はどんぐりとクマの関係を研究していたこちらの学生さん。
スライスして染色する前にも、いろんな処理が必要だから、プレパラートができるまでに5日ぐらいかかり、歯の年輪を調べる作業も膨大だけど、自分で解析を進め、モデルを作っていく作業は、やってみるとやりがいがあっておもしろいそうだワン。

金曜日もひきつづき、クマの研究を紹介するワン。
お楽しみに!

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